富士の山を見れば、 五月 さつき のつごもりに、雪いと白う降れり。
山の端が逃げて月を入れないでほしいものです。
古くから友人としている人、一人、二人とともに出かけていった。
その男は自分の身を何の役にも立たないものと思い込み、都にはもう決して住むまい、東の国の方に住むのに良い国を見つけようと思い旅立っていきました。
結局天皇と朝臣の 質によってどうにでもなるが、やはり因果応報に全てが決してしまうなどと話が決まります。
とよみて、家にかへりきぬ。
る=完了の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形。
はるゝ夜の 星か河辺の 蛍かも わが住むかたの あまのたく火か とよみて家に帰りきぬ。
この点、塗籠は「この男のあにもゑふのかみなりけり」とするが誤り。
私が恋しく思っている人は都で無事でいるかどうかと。
と詠んだので、女はそれはもう、心痛めた。
くないきゃう 【宮内卿】 :宮内省の長官。
「伊勢物語」『東下り』 現代語訳 「伊勢物語」『東下り』 現代語訳 昔、ある男がいた。
親王に馬頭が、お酒を差し上げる。